2022年 新年明けましておめでとうございます。
2021年は引き続き新型コロナウィルスの影響が大きかった年ではありますが、正体が少しずつ分かってきたこともあり、対処に向けて動き出していく年となりました。
しかし、おそらく世界一変化に強かった日本という国は、いつの間にか変化への対応が苦手となり、この現実社会変化への対応が遅いために、さらなる疲弊感が強まったようにも感じます。この変化への対応が苦手になることにより顕著になったことは、前に戻ることを求め、さらに世界との格差を拡げることとなっています。
2022年のはじめに感じることは、日本が先進国から没落する危機感です。まさかそんなことはないだろう、と今までも臨んできたと思いますが、思い出してください。まさか、を何度経験したことか。まさか日本にこんな大きな地震が発生し、津波で被害があるなんて。まさか、原発から放射能が漏れる事故が起きるなんて。まさか、敗戦国日本が世界第2位の経済大国になるなんて。。。数えあげたらきりがありません。人類は、そのまさかに備え、準備し、予防し、対応することで切り抜けたはずなのですが、いつの間にかその変化への対応を忘れてしまって、まさかへの備えの妄想力も失われたように感じます。
2022年は、そのような日本人が持っていたまさかへの対応力を取り戻す年にしなくてはならないのではないかと思っています。今までの既得権益を打破し、社会的イノベーションを遂行する年です。既得権益とは、なにも既存にあるものを指すばかりではなく、(自分勝手に)今のままでよし、とする人たちが得ている権益です。個人的には、あたらしい経営学として、パーマネント経営学(永続経営)の提唱をし始めていますが、この肝は、変化への対応、になります。その変化への対応に対する肝は、価値への対応です。経営は価値あるものを提供し、その対価をいただくことで、生活を維持することです。諸行無常の世の中において、その価値も常に変化しており、その変化に対しての対応が必要になります。この変化への対応には、妄想力が必要になります。そして、理想論とも言われるようなイメージを作り、発信し、共感を得る必要があります。文句と言われるような批判や批評のみでは、その変化への対応を作り出すことは難しく、先の工程を経て、共感してくれる人を巻き込み、大きな渦を作っていかなければならないのです。
当協会は、その変化への対応が最も苦手だと思われる、地域づくりや教育のイノベーションに、2022年は本格的に挑んでいきます。このイノベーションを成功させるために、地域づくりを考える映画会とそこから発生するワークショップの開催、また各地でESDUサークル「自分と地域と地球の未来社会を考える会(JTTM会)」という月一回の飲み会イベントを開催していきます。内部構成は、ゲストスピーカー、自己紹介、情報交換会になります。テーマは「未来とつなぐ」になり、自分のことでも、会社のことでも、地域社会のことでも、国のことでも、地球のことでも、なんでも自分が思う未来社会のことを語ってもらうイベントを開催していきます。また地域づくりとデザイン思考のワークショップを開催していきます。
そしてそこから「ESDユニバーシティ」(https://esd.university/)の活動を拡大していきます。各地に拠点を作るのと同時に、場としての拠点を作っていきます。ESDユニバーシティでは、その地域のあるべき姿の模索、その方法を学んでいきます。一方で、地域づくりは儲からない、を打破していくために、地域社会デザイン産業白書の発刊をし、地域づくり産業の実態把握をし、新たな経済活動の道を示していきます。また、新しい教育のカタチを実現すべくエドテックの具体的な展開をしていきます。そのためのクラウドファンディングを新年早々から始める準備をしています。
改めて2022年は、社会デザイン協会が実現したい社会像「真のSDGsを実現した持続可能な社会」に向けて動き出す年にしていきます。
社会デザイン協会が実現したい社会像である真のSDGsを実現した持続可能な社会とは、SDGsは本来、大企業や人工物主体の都市が主導となって動くものではない。21世紀になって経済一辺倒の社会が高まるのと同時に地球の息切れが急速に高まることとなったという前提から始まらなくてはならない。しかし日本国内では、この状態を暗黙了解し、地球に生かされているという感覚を失ったままSDGsが進められている。この相矛盾する関係性の中進められているSDGsは、17のゴールの連関性が蔑ろにされ、地球の健康が無視されたままの社会が作られようとしている。そこには持続可能性が見えないままの社会があるようです。そこで改めて目指すべき社会像は、地球という自然の中に生かされていることに感謝しながら周囲の人たちと関わり合いながら作られていく社会です。その実現のために当協会では、持続可能な社会や地球に生かされているということを理解し、地域で活躍する人の育成や地域づくり拠点のお手伝いをしていきます。
この志を実現するために、ESDユニバーシティ、ESDUサークル、地域社会デザイン産業白書、と研究と実践を積み重ねながらさらなる成果を出せるような年にしていきます。
一般社団法人 社会デザイン協会 代表理事 鈴木秀顕