2021年 新年明けましておめでとうございます。

2020年は新型コロナウィルスの出現により、大きく世の中が変化していく年となりました。

大きくは、三密(密閉・密集・密接)回避に伴う社会構造の変化を余儀なくされたことに因ります。その余儀なく、の部分については、得体の知れないウィルスの出現により、必要以上に騒ぎすぎたのかもしれません。しかし、世の中がSDGsやScoiety5.0に代表されるような「循環対等構造共生社会」に移行していこうとしていた矢先に出てきたこの新型コロナウィルスによって、その「循環対等構造共生社会」への移行の相乗効果となる形で拍車をかけることになったように感じます。

マーケティングを研究していて気を付けなければいけない点として「人は目に見えないものを想像する力に乏しい」ということと「人は(諸行無常を無視する形で)変化を嫌う生き物である」ということがありますが、今回のこの新型コロナウィルスは見事に「循環対等構造共生社会」への移行を後押しする形で、人々の行動変容を促すこととなりました。

(ただし副作用が大きすぎました。人の死や後遺症としての味覚障害は、人が生きることを考えるきっかけとなりました。しかし、黒船来航のように外からの、強力に変えざるを得ない状況を作られなければ人の行動変容は起きないのかもしれません。それでも変わろうとしない社会構造が残っていることは残念ですが。)

さて、今年は2020年に進展した社会構造の変換は、さらに大きく変わっていく、というより変わっていかなければならない年になりそうです。変わる方向性は、以前より言っている「お金に振り回されない地域社会」です。地域は都会に依存している場合ではありません。仕事も国や企業に頼っている場合ではありません。デジタライゼーションを嫌がっている場合ではありません。2021年は国としてもデジタル庁を立ち上げ、DXを推進していくようです。今までの仕事というのは、お金を楽に稼ぐために便利になる方向ばかりで進んできてしまいました。そのような中でDXが進行していくと仕事はなくなっていきます。しかも今の仕事は、人口増加ボーナスのある成長経済がベースになっています。そのため、まるで違う社会構造を検討しなければなりません。

(ここからは大まかな指針です。詳しくは今年の行動にて。)

では、どこから変えていけばいいのか?まずは、地域の医食住+教育を改善しなければならないと思っています。医食住+教育は、国の制度として設計しなおすべきです。とりわけ、食に関する仕事、農業の見直しです。農業は市場に任せるべきではない、その仕組みを構築すべきです。そのためには、国の縦割り省庁も業務ベースで考え直すべきです。

医に関しては、治療を前提とした医から予防を中心とした医に変えていくべきです。そのためには病院という建物にこだわるべきではなく、家にいながら療養できるような形に変えていかなければいけないです。そのためのDXを進めていくべきです。

そして、住です。ここはあえての不動産全般の仕組みから考えなければなりません。不動産の所有、という考えから共生の考えです。アメリカインディアンの酋長と、西洋人との会話です。「この土地を売ってください」「土地は、地球のものです。私たちが売買するものではありません。」この中に、真実があるのだと思います。

最後に教育です。教育は、どこにいても最高のものが受けられるべきです。そのベースは、愛を教える、ことにあるのだと思います。覚えることはオンライン上にころがっています。その組み合わせが人間のやるところで、愛を教えることをのせた上に工夫を教える形に変えていくべきだと思います。そのためには、年齢性別関係なく教育するような形がオンラインカリキュラムで展開すべきだと思います。(オンラインだけでは難しいので、地域でのアクティブラーニングが必要になります。)

目指すべき「循環対等構造共生社会」は、自然資本の考え方がベースです。今年のテーマは、当たり前を超える、らしいです。本年の社会デザイン協会は、その小さな点を作っていくことをし続けていきたいと思います。

 

一般社団法人 社会デザイン協会 代表理事 鈴木秀顕